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ライナーノーツ

円谷特撮の部屋/ウルトラQ ①

 「― これから30分、貴方の目は貴方の体を離れて、 この不思議な時間の中に入って行くのです。」番組冒頭、アンバランス・ゾーンへと誘う低いトーンのナレーションが、子供のワタクシにはちょっぴり恐ろしかった。「ウルトラマン」や「ウルトラセブン」を先に見ていた記憶があるので「ウルトラQ」は再放送だったのだ思いますが、ヒーローが出てこないのは子供心にカタルシスが足りないし、話も少し難解で…。でも今見るとその完成度にビックリしますよ。

ウルトラQタイトル
ウルトラマン・ゲルマウォッチウルトラマンゲルマニウムウォッチ【総合百貨店 プレジデント】
ウルトラQの部屋

ウルトラQを味わう。

●プロローグ

「甲状腺ホルモンのバランスが崩れて、異常な発育を示すことが、
我々人間の場合にもあります。
そうです。ここは全てのバランスが崩れた恐るべき世界なのです。
これから30分、貴方の目は貴方の体を離れて、
この不思議な時間の中に入って行くのです。」

石坂浩二氏による抑揚を控えたナレーションで始まる
これは第2話「五郎とゴロー」の懐かしいオープニング。

私たちの世代にとって、円谷プロ制作のウルトラシリーズは、
TV特撮番組黎明期にクオリティの高いシナリオと独特の造形で我々子供たちを虜にし、
今もって深い思い入れを抱かせる夢の番組だった。

そしてその魅力は、この「ウルトラQ」から始まる 3本のシリーズに
集約されていると言って、異論は無いはずだ。

あとの2本は勿論「ウルトラマン」と「ウルトラセブン」である。

ウルトラQ 第2話 五郎とゴロー
ウルトラQ オープニング・タイトル

●はじめに

さて、ここではシリーズ最初の「ウルトラQ」について、ストーリーなど簡単に解説してみたい。

「簡単に」というのも、これらの番組やシリーズについては、私よりもずっと造詣が深く、的確な論評や解説を為されている方がすでに居り、もっと詳しくその魅力について語っておられるウェブサイトも
少し探せば数多存在することを確認出来る筈で、
ここでの私の役割は、ウルトラシリーズを知らぬ若い世代への入門編程度のものとでもお考え頂き、
この稚拙な文章ににお付き合い頂けたら幸いである。

●ウルトラQの概要

「ウルトラQ」の本放送は昭和41年1月2日から7月3日までの半年間で、毎回テーマの異なる一話完結の30分番組だった。

昭和41年と言えばTVの全国カラー放送用マイクロ回線網が完成したものの、白黒放送からカラー放送への過渡期と言える時期で、「ウルトラQ」は白黒だったが、同じ年の7月より始まる「ウルトラマン」はカラーで放送された。

「ウルトラQ」は全部で28話撮影されたが、最初の放送で披露されたのは27話。
第28話として放送予定だった「あけてくれ」は当時何故か放送されずにお蔵入りしていたが、翌年の再放送時に蔵出しエピソードとして初放送される。
因みに余談ではあるが、この第28話「あけてくれ」の脚本を担当したのは 「3年B組金八先生」などでお馴染みの小山内美江子であった。

この番組の主人公はある意味、ユニークで個性的な怪獣や怪人たちなのだが、人間側(?)の代表として、パイロットの万城目淳(佐原健二)、その助手の戸川一平(西條康彦)、紅一点で記者の江戸川由利子(桜井浩子)の3人組が、毎回、物語を廻して行く役割を担って登場していた。

脚本は千束北男(飯島敏宏)や金城哲夫の他、数人の手に依るが、中でも金城哲夫は「ウルトラQ」のみならず、後のシリーズ2本でも、秀逸な物語を編み上げた。
彼の書いたシナリオのファンはかなり多い事と思うが、いずれ機会があれば稿をさいて紹介してみたい。

さて「ウルトラQ」の概要は、こんなところにして、次のページから早速そのストーリーと、
簡単なデータを紹介してゆこう。

万城目淳(佐原健二)、戸川一平(西條康彦)、江戸川由利子(桜井浩子)の3ショット

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